Knot STYLE BOOK
10/12

世界のカイハラが手がけた、デニムの時計ストラップ。そこには、備後に伝わる藍染めのモノ語りがあった。 ジャパンデニムの代表として世界に名が知れ渡るカイハラは、125年以上もの歴史を有する老舗企業。そもそもは、備びんごがすり後絣をつくる会社として1893年(明治26年)に創業している。 カイハラ4代目であり現会長の貝原良治氏が、この地域に伝わるモノづくりの背景をまずは語る。 「備後福山藩の初代藩主、水野勝成は名古屋の岡崎出身で徳川家康の従兄弟。岡崎が綿花の産地だったのが福山にも伝えられて、そこから藍染めが、そして絣づくりが発達したのです」そのカイハラがデニムづくりに舵を切ったのは1970年ごろ、現会長が入社したときとも重なる。 「糸の芯まで染まらない、ロープ染色機という独自の機械を自社で開発したのが大きかった」 それまでやってきた藍染め技術を生かしながら、色落ちすると味わいの増す国産デニムの誕生。いまでは、そのクオリティーを世界中が称賛する。アメリカの老舗ジーンズブランド、ヨーロッパのラグジュアリーブランド、日本を代表するファストファッションのブランド……。世界中から、注文が寄せられるという。 「2019年の秋からは、すべてのリーバイス501にカイハラのデニムが使われています。ジーンズの代表格リーバイス501はアメリカのコーンミルズ社のデニムと決まっていたので、格別の感慨がありました」 カイハラがデニムを作りはじめて、およそ半世紀が経つ。いま、世界一と言っていいところまできたのだ。※価格はすべて税別です。Knot STYLE BOOK10

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る